中原美紗緒(なかはら・みさお)
1931年7月18日 - 1997年7月8日
東京都出身、シャンソン歌手・女優
本名:室 美紗緒(旧姓は中原)
東京都渋谷区に生まれ、戦時中を福井県で過ごす。戦後、同志社高校を経て、東京芸術大学声楽科へ入学。
大学卒業後、中原淳一ファッションに身を包み鮮烈にデビュー。当時のフランス映画主題歌を中心に、NHKドラマ「バス通り裏」、マルマンCM「夜は恋人」など、次々ヒット曲を放ち、1956年より7年連続でNHK紅白歌合戦に出場。オリジナルソングが主体ではなかった時代、いわゆるアイドルの先駆け的存在として、人々の心に記憶される。
また、1958年より主演したドラマ「あんみつ姫」は彼女の代名詞ともなり、そのキャラクターは、小泉今日子、井上真央へとと引き継がれた。
結婚、出産をはさみ、1966年からの育児休業。1978年、12年間のブランクを経て復帰。激変する時代のうねりの中、芸大で培った歌唱力と透明感あるキャラクターで、数限りないステージを踏み続けた。
晩年は食道癌による闘病生活のかたわら、歌手生活40周年コンサートを開くが、翌97年7月8日他界。
代表曲は、「パリのお嬢さん」、「フルフル」、「私の心はバイオリン」、「河は呼んでいる」、「バス通り裏」、「夜は恋人」など。
叔父に画家の中原淳一、義理の叔母に女優で元タカラジェンヌの葦原邦子がいる。
(略歴)
・1955年(昭和30年)5月、キングレコードから「パリのお嬢さん」でデビュー。
・1956年(昭和31年)から7年連続でNHK紅白歌合戦に出場。
・1958年(昭和33年)12月1日から1960年(昭和35年)10月28日まで、KRT(現TBS)で放送された連続ドラマ「あんみつ姫」で、ヒロインあんみつ姫役を演じる。
・1963年(昭和38年)結婚。
・1966年(昭和41年)、育児に専念するため芸能界から引退。
・1978年(昭和53年)、12年間のブランクを経て芸能界に復帰。
・1979年(昭和54年)10月1日から1980年(昭和55年)9月26日まで、日本テレビの子供向け番組「なんじゃ・もんじゃ・ドン!」にて「みーおばちゃん」の愛称で、司会兼歌のおねえさんとして活躍。
・1991年(平成3年)、歌手生活30周年記念コンサート開催。自叙伝「唄(シャンソン)に恋して」を出版。
・1993年(平成5年)、食道癌が発見され、手術せずに抗癌剤等で治療を行う。
・1994年(平成6年)春、食道癌の切開手術。大手術だったが経過は良好で1ヶ月で退院し秋には復帰。
・1996年(平成8年)、リンパ腺癌が発見され、再び切開手術。歌手生活40年記念コンサート開催。その直後再びリンパ腺癌が発見。
・1997年(平成9年)7月8日死去。享年65。同年春まで闘病の傍らステージに立ち続けた。